毎日使うヘアアイロンは、消耗の早い美容家電のひとつです。「お気に入りの仕上がり」を変えたくない方ほど、買い替えではなく修理を選ばれる傾向があります。本記事ではヘアアイロンによくある故障の原因と修理費用の目安を解説します。
ヘアアイロンによくある故障は?
1. プレートが温まらない
最も多いのが「電源は入るのにプレートが温まらない」「片側だけ温まらない」という症状です。原因は内部のヒーター素子(PTCヒーター)の劣化または断線、サーミスタ(温度センサー)の故障、内部配線の接触不良などが考えられます。長年の使用で熱と冷却を繰り返すうちに、半田クラックや配線疲労が進むのが一般的です。
2. 電源が入らない
スイッチを押しても無反応の場合、電源スイッチ自体の故障、コード根元の断線、内部ヒューズ切れの可能性があります。コードを根元あたりで強く曲げると一瞬通電する場合は、ほぼコード断線の症状です。
3. 温度設定が反映されない・温度がおかしい
「設定温度より明らかに熱すぎる/ぬるすぎる」「温度ボタンが効かない」という症状は、温度センサー(サーミスタ)または制御基板の不良です。温度制御が壊れたまま使用すると髪を激しく傷めるため、すぐに使用を中止して修理に出すことをおすすめします。
4. コード断線(最頻出)
本体側コードの根元と、コンセント側プラグの根元はとくに負荷がかかる部位です。ねじれや引っ張りで内部の導線が切れると、特定の角度でしか通電しなくなります。安全上、絶対にビニールテープなどで自己修理せず、コードASSY交換で対応してください。
5. プレート損傷・コーティング剥がれ
ヘアアイロンのプレートにはセラミック・チタン・テフロンなどのコーティングがあり、使用とともに摩耗・剥離します。コーティング剥がれは髪のすべりを悪化させて引っかかりや切れ毛の原因になります。プレート交換で対応可能です。
対応しているメーカー・モデルは?
- パナソニック ナノケア(EH-HS / EH-HT 等)
- ReFa(リファ)ビューテック フィンガーアイロン/ストレートアイロン
- SALONIA(サロニア)ストレート/カール/2WAY
- ホリスティックキュアズ クレイツイオン
- ヴィダルサスーン(VS)
- テスコム(TESCOM)
- その他、業務用ストレートアイロン・コテ
※部品の入手状況により対応可否が変わります。機種名・型番をお知らせいただければ事前にお調べします。
修理の費用はいくら?
- コード断線(コードASSY交換): ¥5,000〜
- 電源スイッチ・基板修理: ¥5,000〜
- ヒーター素子・サーミスタ交換: ¥6,000〜
- プレート交換(片側): ¥7,000〜
- プレート両側+オーバーホール: ¥10,000〜
診断はLINEで無料、修理不可と判断した場合は費用ゼロです。メーカーで「修理対応終了」と言われた機種でも、部品入手が可能であればお引き受けします。機種名・型番をお知らせいただければ事前に対応可否をお調べします。
よくあるご質問
ヘアアイロンの故障の症状は修理で直りますか?
症状の原因を診断したうえで、部品交換・整備で対応できるか判断します。診断後に修理可否と費用をお伝えしますので、機種名と症状をお知らせください。郵送修理に対応しているため、お近くに修理店がない方でも全国どこからでもご依頼いただけます。
ヘアアイロンの故障の修理費用はいくらくらいですか?
症状や機種によって変わりますが、¥5,000〜が参考目安です。正確な料金は診断後のお見積りでご提示します。診断・お見積りは無料です。お見積りにご了承いただいてから作業に進みます。修理不可と判断した場合、修理費用はいただきません。
メーカーで「修理対応終了」と言われた古い機種でも見てもらえますか?
はい。部品の入手が可能であれば、メーカーで受付終了となった旧モデル・廃番モデルもご相談を承ります。型番をお知らせいただければ事前に部品の有無や対応可否をお調べします。
修理にはどれくらいの期間がかかりますか?
症状や部品調達の状況にもよりますが、お預かりから返送までおおむね2週間〜1ヶ月が目安です。修理内容・部品の取り寄せ状況により前後します。
修理事例(動画)|ヘアアイロンの電源が入らない(コード断線)を直す
ヘアアイロンの「電源が入らない」は、コードの断線が原因のことが少なくありません。下は、ヒーローグリーン HS455 の電源コード断線(本体根元側)を、断線箇所の半田付けと熱収縮チューブ・保護テープでの補強で復旧させた実際の修理事例動画です。
この修理事例の概要
| メーカー / 機種 | 株式会社ヒーローグリーン(HERO GREEN)ヘアアイロン |
|---|---|
| 型番 | HS455 |
| 症状 | 電源が入らない(ボタンを押しても無反応) |
| 診断結果 | 電源コードの断線(よく曲がる本体根元側で発生) |
| 結果 | 断線箇所を切除して半田付け/熱収縮チューブ・接着剤・保護テープで補強し、曲げの力を2箇所に分散/接点グリスで本体接続して復旧 |
| この事例の修理費用 | 3,000円(症状・機種により変動。診断後に正式お見積り) |
この事例で起きていたこと
ヘアアイロンやドライヤーの「電源が入らない」は、コードの断線がもっとも多い原因のひとつです。熱を持った本体を髪に合わせて動かすため、どうしてもコードがねじれ、よく動く本体根元側に負担が集中して内部の銅線が切れていきます。本件もコードの根元を触ると表示が切り替わることから断線を特定。硬い根元素材とその下の柔らかいコードの境目に力が集中していたため、単に繋ぎ直すだけでなく、力を分散させる補強まで行っています。
当工房の対応方針
- まず通電と症状から断線位置を切り分け(コードの頭側か根元側か)
- 断線箇所を切除し、銅線を傷つけないよう被覆を剥いて半田付けで確実に接続
- 熱収縮チューブを長めに被せ、曲げの力を「チューブ側」「コネクター側」の2箇所に分散して再断線を防ぐ
- 接着剤・保護テープで仕上げ、金属接点には電気を通す接点グリスを塗布して安全に本体へ接続
- 「ここだけ壊れているのに丸ごと買い替えるのはもったいない」——直して長く使う選択肢をご提案します
修理を担当するのは
本件の修理担当は、機械工学を専攻し大学院を修了、大手電子機器メーカーで日常家電から電気自動車まで幅広い商品開発に携わった技術者です。配線・半田・絶縁処理の知見をもとに、安全で長持ちする修理を心がけています。
動画でご覧いただけること
実際にヒーローグリーン HS455 を分解し、断線位置の特定から半田付け、熱収縮チューブと保護テープでの補強、接点グリスでの本体接続、動作確認までの工程を順に公開しています。「誰が・どのように直すのか」が見えることで、郵送で大切な一台をお預けいただく際の安心材料になれば幸いです。
動画の内容(書き起こし全文)
下記は本動画の内容を文字に起こしたものです(修理担当者の解説をそのまま掲載)。画面が長くならないようスクロールできる枠内に収めています。
こんにちは。家電リペア工房です。今回のご依頼品はヘアアイロンです。「電源がつかなくなりました」ということでお預かりしております。
原因として一番多い断線を疑っているということで、断線から探っていきます。今回は断線の修繕ということで、お見積もり3,000円でお受けしております。それでは本編をどうぞ。
こんにちは。家電リペア工房 修理担当です。今回はこちらのヘアアイロンの修理を行っていきます。メーカーは株式会社ヒーローグリーンというところの、ヒーローグリーンさんのHS455というものになります。
今回の不具合としましては、電源がつかなくなったと聞いております。故障の原因としては、コードの断線だと予想しております。今回ご依頼として3,000円を頂戴しております。それでは実際に修理を始めていきます。
ヘアアイロンの断線ということで、女性の方によくある「あるある」なんじゃないかなと思っています。ヘアアイロンやドライヤーあたりの断線は、結構な頻度で依頼が来ているような気がします。
なぜかというと、この熱を持った本体を髪に合わせて動かしますので、それでどうしてもコードがねじれてしまって、どこかで断線するというのはかなり「あるある」なんじゃないかなと思っています。
ですので今回の修理としては、断線した場所を見つけて、半田でおそらく修復すると思います。そして、修理したところが万が一の不具合を起こして事故になることは絶対に避けなければいけないので、今回は半田で断線したところの修理と、その箇所の保護がメインの作業になるかなと思います。
ではまずは動作を見ていきます。コンセントを繋げますと——電源を押せばつくのかなと思うんですけど、何も反応がないですね。
断線だとするならば、コードの頭か尻尾か、だいたいどちらかのことが多いです。携帯の充電器なんかも、スマホ側の端子の方が断線することが多いと思うんですけど、よく動く場所にだいたい断線が生じます。
たぶんここかなと思って見てみます。こっち側が断線しているかというのを確認できたらいいですね。——ああ、来ました。これ見えますか?ここのコードをいじると「オフ」という表示が出てきました。もう間違いないですね。ここの断線で確定だと思います。ここがちゃんと繋がっていればつきますね。原因特定が早く終わってラッキーでした。
では原因がここかなと分かったので、実際にここを開いていきます。ヘアアイロンはいろいろな固定のされ方があるんですが、これはここに線が入っているので、ここを開けるだけでいいかもしれない。よいしょ。ネジを2個取りました。お、ドンピシャですね。
こちら側までがっつり一体型でくっついているものもよく見るんですけど、これはコードのところだけ独立して開けられるようになっていたので、作業しやすいですね。メンテナンスしやすいです。
これがコンセントの部分・コードの部分になります。問題はここですね。一度切って半田で付け直すんですけれども、たぶんこのまま修理しても、また断線しかねないような気がしています。
というのも、この頭の部分はすごく硬い素材なんですけど、その下が急に柔らかいコードなんです。曲がる力が入った時にここに全部ガツンと力がいってしまっているので、これを少し分散させるような工夫もしながら、長持ちするような修理をしていきたいと思います。
ではコードを切ってしまいます。ハサミで切ります。切り口が見えますかね?断線していなければ、この辺りはコードが縦向きに線が繋がっているはずなんですけど、今切った段階で横にぐるぐるになっているというか、縦向きにあまり出ていない。断線はここで間違いないと思いますね。
断線した部分をちょん切って、これが断線していない断面になります。
問題はここだけ向いても判断しづらいので、この硬いやつも開いていきます。実はこの硬い部分は、中の配線とは別になっているんですよ。この外を開いて、中のケーブルだけを剥き出しにするのを目指していきます。
このぐらいでいいんじゃないですかね。中のケーブルを剥き出しにしましたので、これをまた少し切って配線を剥き出しにしていきます。1cmぐらい切って、しっかりした銅線が出てくるのを確認して、被覆をベロっとめくりながらコードを抜き出していきます。
力加減が絶妙ですね。銅線を切るとよくないので、銅線に当たったかなというところで力を抜くんです。よいしょ。完璧ですね。反対側も。はい、剥き出しました。
では、これとこれを半田で繋いでいきます。まずは配線に半田を馴染ませます。じわーっと全体に半田を馴染ませます。反対側もですね。
次はこっちの方ですね。ちょっと怖いな。これ、何回も半田で手を焼いたことがあるんですよね。本当に気をつけないと半田は危ないですね。
半田付けした時に、こっちのコードの根元も全部、保護カバーの中に入るような長さで入れたいなと思っています。
忘れてはいけないのが、この熱収縮チューブですね。これを先に入れます。たったこれだけなんですが、やり忘れると半田がやり直しになるので、ちょっと悲惨なことになります。
事前にちゃんと半田を馴染ませているかどうかが、半田のしやすさと、ちゃんとくっついてくれるかどうかに繋がります。
熱収縮チューブを、半田付けしたところに被せて隠していきます。あとはこのチューブを加熱します。熱で加熱してあげると、熱収縮チューブという名前の通り、ギュッと縮まってコードに密着して、銅線の剥き出しをカバーしてくれます。
今回、熱収縮チューブを少し長めに被せました。この熱収縮チューブによって、曲がる力が加わった時に曲がる箇所が、イメージとしては熱収縮チューブとの間で1段階、コネクターのところでもう1段階、と2箇所に力が分かれるようにしました。
依頼いただいた状態のこの根元でバキッといくような折れ具合にはならないようにしています。ダメージを2箇所に分けることで、今までよりは長持ちしてくれるんじゃないかなと思っています。
では接着をしていきます。結構強めに接着剤を流して固めます。輪ゴムで縛って固めて、これで1日置いておきます。
あとは表面の汚くなっている部分を少し削って綺麗にして、紙テープを巻いてお渡しすると、見た目を良くしてお渡しする、という3段でございます。
それでは乾燥させて1日経ちましたので、様子を見ていきます。輪ゴムを外します。こんな感じですね。配線はもうしっかりと出てこないようになりました。
ただ、この状態だと今後使用していく中で、さらに力が加わったり汚れが入ったりする可能性がありますので、紙テープで巻いていきます。でもその前に、少しだけ表面を綺麗に仕上げていきます。
表面のガタガタはなくなりました。これを紙テープで巻きます。仕上がりはこんな感じになります。テープを巻き付けたことで、見た目的にもいびつな感じはなくなりましたし、綺麗にまた使っていただけるんじゃないかなと思っています。
これをヘアアイロン本体に繋げていきます。本体に繋げるにあたって、接点グリスを使います。ヘアアイロンはぐるぐる回して使うと思うんですけど、その時に金属と金属同士だと擦れて摩耗してしまうので、それを抑えるために、基本的に金属と金属の間にはだいたいグリスが塗られています。
このグリスの中でもこれは「接点グリス」と言いまして、電気が通るグリスですね。普通のグリスは塗ったところは電気を通さないんですけど、これは電気を通す特殊なグリスになっています。ここに塗っていきます。
塗り終わりました。コネクターを戻して蓋を閉めます。少しだけぐるぐる回してグリスを馴染ませまして、これで修理完了になります。
では実際に動かしてみます。「オフ、オフ」と出ていますね。カメラで撮影しているのでチラチラしていますけど、目で見ると普通に表示されております。とりあえず140℃でやってみましょうか。目で見た感じでは、140℃という表示の点滅が止まりました。これで動作確認も完了、修理完了となります。
ここだけ壊れているのに全部買い換えるのは、なんだかもったいないなと思っている方も多いんじゃないかなと思います。こんな感じで、断線だけ直して全体を使い続けるということもできますので、ぜひお困りごとをお持ちの方がおられましたら当工房にご連絡ください。
断線だけで無事に治って良かったですね。これからも長く使っていただければと思います。
今回は原因の特定が想像以上に早かったです。やはり断線でしたね。動画の中で担当が言っていた通り、よく動かす部分——今回では本体の根元側ですね——こちらが特に動くので消耗が激しかったという感じですね。
家電リペア工房では、動かなくなった掃除機、映らなくなったレコーダー、他にも保証やサポートの消えた製品など、家電のトラブルのご相談もきております。お気軽にお問い合わせください。
同じような症状でお困りなら、機種名と症状をLINEでお送りください。診断・お見積りは無料、修理不可と判断した場合は修理費用はいただきません。ヘアアイロン修理トップはこちら。
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